絵を描きはじめたのは、就労支援事業所の管理者にすすめられたから。
自分の才能に気づくまでの人生は、押し寄せる不安感や絶望感に飲み込まれそうになる毎日だった。
どこにもおさまれない。
混ざり合う事もできない。
そして自分も違和感しかない。
「なんのために生きればいいの?」が口ぐせだった。
自身の生立ち、未来、抱える何重もの病、あこがれ、怒り…。
心身の中で飽和するすべてが、彼女の身体を通って、指先から色鉛筆に伝わり、とても宇宙的で、どことなく宗教的で、しかしポップなファンタジーの世界となる。
絵と出会い、そんな世界を生み出す自分に戸惑いながら、少しずつ手探りで、彼女の作品は進化し続ける。