何をやってもみんなにいい顔されない、満たされない、認めてもらえない。
三十数年「いい子」を演じてきた。でもそれは「空っぽの自分」だった。
誇れるものなんて何もないと思っていた自分が唯一、誰かに褒めてもらえたのは絵だった。
だから、褒められるために描き続けた。でも、どこか冷たい空気に疲れてやめてしまう。
そんなある時、絵を描く仲間を遠くで見ているうちにまた、描きたくなった。
仲間から、自分のために描くと気持ちが暖かくなることを教えてもらった。
そしてようやく、絵を描くのが楽しくなって描き続けている。