子どもの頃からモノを作るのが好き。美術系の短大ではデザインを選考していた。
社会人になり結婚してからも、クリエイターとして造形物をつくり、雑誌の表紙や広告のビジュアルとして採用されていた。
夫婦関係のゴタゴタから心を保てなくなり離婚。気づくと幻聴幻覚に苛まれていた。
実家にもどり、コントロール出来ない自分と戦った。
大好きなことが何も出来なくなった。
そんな日が続いた。
少しだけ笑顔になることが増えた頃、主治医の薦めで就労支援事業所に通いはじめた。
はじめは軽作業から。
でも、当時の作品を知る人から「また作ってみれば」と言われ、作り始めた“ちいさなおうち”。
みるみるうちに、そこに住む人、動物たち、自然が感じられる“亜貴子ワールド”が広がった。
見る者をワクワクさせるこの“ちいさなおうち”は、何も見ないで、彼女の頭の中の想像だけで作られていく。
「想像して作っている時は、ずっとワクワクした気持ちでいられます」と笑う。
いつの間にか、笑顔が彼女の代名詞になっていた。